退職時、未消化の年次有給休暇はどうする?

こんにちは。東京都清瀬市の社会保険労務士渡邊ことえです。

今回は、年次有給休暇について解説します。

年次有給休暇が残っている!そんなときの対処方法

 従業員が退職する時、問題になるのが未消化の年次有給休暇です。数カ月前から計画的に退職日を決める従業員もいれば、突発的に退職日を決める従業員もいます。その中で、退職日までに年次有給休暇の消化ができず従業員から「年次有給休暇の買い取りをしてほしい」と希望があった場合、会社側はどのように対処したら良いのでしょうか。今回はその対処方法を解説します。

年次有給休暇とは?

 そもそも年次有給休暇とは、週休日等とは別に一定の日数の休暇を付与することにより、労働者の疲労回復や労働力の維持、生産性の向上を図る位置づけにあります。労働者の請求をまって生じるものではなく、一定の継続勤務と出勤率を満たすことにより法律上当然に権利が発生します。また、年次有給休暇は雇用関係があることを前提としているので、退職日までに請求がなかった場合は退職日に消滅することとなります。

買い取りをしてもいいの?

 原則は、年次有給休暇の買い取りをすることは法律(労働基準法39条)で禁止されています。買い取ることは年次有給休暇の趣旨(目的)に沿わないためです。しかし、例外が認められており『退職時の有給』『時効により消滅した有給』『法定休日を上回る分の有給(特別休暇など)』は買い取りが認められています。ポイントとしては、買い取りが認められているだけであって会社側は必ずしも買い取る必要はありません。しかし、就業規則等であらかじめ買い取りを定めているときは年次有給休暇を買い取る必要がありますので注意が必要です。

年次有給休暇管理簿の作成も忘れずに!【働き方改革】

 また、年次有給休暇の取得が義務付けられた対象者(10日以上の年次有給休暇が付与される労働者)へ年次有給休暇を与えたときは、時季、日数及び基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作成し、3年間保存しなければなりません。ろうどうきじゅんほうの『ろ』と3年間の保存の『3』を横に並べると『ろ』と『3』で形が似ていますよね。保存期間も覚えておくと書類を整理する際、役立ちますよ。

 当事務所は、貴社オリジナルの『年次有給休暇管理簿』の作成も行っております。

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社会保険労務士
 

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